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爪白癬(つめはくせん)の治療|メインビジュアル
爪白癬(つめはくせん)の治療

爪白癬(つめはくせん)の治療

爪白癬は真菌が爪に感染しておこる爪の水虫で、爪が白濁したり、黄色や茶色に変色し、爪が厚くなってしまう疾患です。国内の推定患者数は約1,200万人、60歳以上では約40%の人が爪白癬を持っていると考えられます。爪が白濁する、また黄色や茶色になり、厚みが出る以外には、かゆみなどの症状はないため治療を受けている人は推定患者数の約15%といわれています。
爪を削る意味:爪を削ることは感染の治療にはなりませんが、爪の厚みによる痛み、爪の下の爪床(そうしょう)から傷が始まるのを防ぐ役割があります。爪の下の傷は爪を削るまでわからないことがよくあり、感染がすでに始まっていることもあります。血流が悪い人の場合、爪の下から始まった傷、または、陥入爪(かんにゅうそう)から始まった傷が治らず、足趾が壊疽になってしまう場合もあります。
爪を薄くする治療のひとつに尿素40%クリームがあります。尿素がケラチンを侵食し、爪の部分を化学的にデブリしてくれる役割があります。次の文献を参考にしてください。

40%尿素を含むビフォナゾールクリームを使用した閉鎖包帯での爪真菌症外用薬治療

爪真菌症の70ケースを抗真菌薬外用薬で治療した。(69ケースは爪白癬、1ケースはカンジダ爪真菌症)。患者は毎晩40%尿素を含むビフォナゾールクリームで、毎朝、1%ビフォナゾール溶液だけで治療した。この治療中、やわらかくなった爪は爪きりとやすりでできるだけ除いた。爪は2週間ごとに検査され、12週間後に効用が審査された。2ケースは排除され、28ケースは脱落し、有効性評価に40ケースが残った。40患者の内、20は真菌が陰性であった。(真菌治癒率 50%)。臨床反応は、爪の不透明度、厚さで決定された。9人の患者は”顕著な改善”、16人は”改善“と評価された。(改善率 62.5%)。二人の患者に浸食の副作用がみられた。一人の患者は治療を中止し、抗生物質軟膏で病変は改善した。もう一人の患者は治療中止後侵食が治癒し、治療を再開した。これらの結果は閉鎖包帯での爪真菌症外用薬治療は経口抗真菌薬での治療が困難、またはそれを望まない患者には有効な方法であると示している。
爪白癬の経口の治療で一番よい方法は塩酸テルビナフェンです。これは殺真菌の効果があり、現在、一番効果のある治療法です。
参照:渡辺晋一ほか:日本皮膚科学会誌 第111巻 第14号,2101-2002,2001,
Elewski BE, Charif MA:Arch. Dermatol. 133: 1172-1173, 1997
Topical treatment of onychomycosis by occlusive dressing using bifonazole cream containg 40% urea, Nippon Ishinkin Gakkai Zasshi. 1998;39(1):11-6. Tsuboi R, Unno K, Komatsuzaki H, Ogawa H, Kasai T, Oka K, Takiuchi I, Kitamura K, Higashi N, Nakashima Y, Nishimoto K.
Emerging Concepts In Treating Onychomycosis
VOLUME: 22 PUBLICATION DATE: Oct 01 2009  Sidebars_in_article: Issue Number: 10 October 2009 Author(s): John D. Mozena, DPM, and Joshua P. Mitnick, DPM