糖尿病 潰瘍 足

早期外科的デブリードメント|メインビジュアル
早期外科的デブリードメント

早期外科的デブリードメント

足部に深い膿瘍腔のある糖尿病患者における早期外科的デブリードメントと血流改善

Ezio Faglia, MD, 1 Giacomo Clerici, MD, 2 Maurizio Caminiti, MD, 3 Antonella Quarantiello, MD, 4 Michela Gino, MD, 5 and Alberto Morabito, PhD 6 (The Journal of Foot & Ankle Surgery 45 (4): 220-226, 2006

比較方法

43名の患者は外来受診後入院となり、直ちに外科的デブリードメントを実施。
グループA
63名の患者は他院でデブリードメントを受けずに平均6.2~7.5日間の入院の後、当センターへ転院。
グループB

早期デブリードメント治療の定義 - 治療プロトコル

当センターへの入院・初回検査時に深い膿瘍腔が疑われた場合は、小さな切開を入れてゾンデ挿入した。 そこで膿が出現した場合、患者はオペ室での緊急外科的デブリードメントの対象となった。
これは入院後平均6~8時間後に実施された。

血管系疾患のアセスメント

排膿後、外側、中央、内側のコンパートメントを探査した。 アンギオの結果に基づいてバイパスグラフトを実施し、少なくとも一つの足部動脈を開通させる。
足部の脈が弱い又は無かった場合、TcPO2が50mmHg以下の場合、動脈エコーで著明な狭窄が見られた場合は、外科的デブリードメントの翌日に動脈造影、PTAを実施した、

結論

グループBでは、より近位での切断が行われたことを示す論理的分析

糖尿病性足感染のガイドラインは、骨・関節切除を含む全ての感染組織の外科的デブリードメント(感染管理の必須項目)を強調。

今回の一連のケースにおけるデータは、深い膿瘍腔の治療において、抗生剤のみでは感染の解決にならないことを証明している。
深部足感染の治療に最善なのは、広範囲抗生剤療法と外科的デブリードメントの平行治療である。
データは、外科的デブリードメントの遅れが、足首切断を含む、より近位での切断のリスクを増大させることを強調している。

足首上切断の数は、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)の有無での違いは無かった。

この結果はPAODの患者における結果を一様に悪いと報告する文献とは大いに異なる。 今回の結果は特に臨床活動に関連し、実際PAODの正確な診断と速やかな血流改善が重大な感染のある患者にPAODの無い患者に似た成果をもたらすことに成功している。
治療開始から外科的デブリードメントまでの時間を縮めることは、あらゆるレベルにおいての切断を減らす上で最重要である。深い膿瘍腔がみられるとき、外科的デブリードメントをせずに全身抗生剤療法だけを行っても、下肢救済には不十分である。 PAODの的確な診断と迅速な血流改善は、PAODの無い患者に似た成果をもたらす。

直接入院した患者(グループA、N = 43)と、他院から転院してきた患者(グループB、N = 63)の人口学的及び臨床的特長

直接入院した患者(グループA)と、他院から転院してきた患者(グループB)の検査結果と治療データ

直接入院した患者(グループA)と、他院から転院してきた患者(グループB)の検出微生物

直接入院した患者(グループA)と、他院から転院してきた患者(グループB)の外科的治療結果