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The Symposium on Advanced Wound Care Spring 2009|メインビジュアル
The Symposium on Advanced Wound Care Spring 2009

The Symposium on Advanced Wound Care Spring 2009

毎年春・秋の2回開催される米国最大の創傷ケアの学会で、創傷ケアの最新技術、被覆剤などの情報を入手することができます。
今回は2009年春に訪れた時の記録をご紹介します。最新の開催日に関して
http://www.footcarenow.org/hot_topics/hot5.htmをご参照ください。
2009 年4 月26 日-29 日テキサス州ダラスにて開催された、創傷ケアに関する学会としては、米国最大の学会に行ってまいりました。今年のトレンドは「陰圧吸引」です。
90 パーセント以上のマーケットを握るといわれるKCIという 会社のVAC というブランドが、米国ではスタンダードになり つつあり、「バック」といえば、KCI の製品をみな思い浮かべ るというほどの強さを誇っています。
原理は「悪いものは、吸い取ってしまおう。」という大変簡単 なもので、追随する業者が現れるのも納得がいきます。
10 社が陰圧吸引の製品をブースで紹介していました。
各社の製品の違いは創傷部分に当たるフォームの種類、形状の違い。スミス&ネフュ-の売りは以前は創傷部分にあたる部分が、ガーゼのようなものでできており、KCI のフォームよりつけやすいというものであり、実際に使ってみると、フォームを創傷の形に切る作業がない分、時間の節約になりました。
しかし、この会社もKCI の強さに屈したのか、新製品はフォームに変わっていました。
スミス&ネフュ-のもうひとつの売りは保険請求の違い にあります。
KCI は1 日単位で保険請求をしており、1 日使用で 約1万円といわれています。
スミス&ネフュ-は機械部分に吸引が実際に行われていた時間を記録する機能があり、時間単位で保険請求をするそうです。
実際にKCI より安くなるのか、と聞いてみたところ、たくさんスミス&ネフュ-の製品を使ってくれる病院は、時間単位が安くなり、余り使ってくれない病院は時間単位が高くなるので、一概にはいえない、という回答でした。
陰圧吸引の難しさは、いかにフォームを覆うフィルムに空気もれがないか密閉する点にあり、足の指の間の創傷などは、工夫をしてフィルムをはらなければなりません。
また、看護師さんによっては、いったん空気漏れが起こると、どうフィルムをはっていいのかわからず、半日以上、吸引はされていなかったという事例もしばしば起こります。
こういう例が余りにも多いため、KCI は1 日単位で保険請求するという安全策をとっています。
スミス&ネフュ-は使用時間に対して正直な保険請求をする、という戦法できたわけですが、KCI のマーケットシェアーを崩すことができるでしょうか。
The Symposium on Advanced Wound Care は2009 年の秋にも開催されます。
創傷ケアに関わる医師、看護師混合の参加者が特徴で、看護師さんにとっては、米国の看護師さんの強さを垣間見れる大変いい機会です。演題も基礎編から上級編までもりだくさんであり、選択できるのが良い点です。
学会への参加にご興味のある方には参加のお手伝いをさせていただきます。  株式会社ミレニアhttp://www.millennia-corporation.jp/までお問い合わせください。